漫画に映画脚本本は役に立つのか
漫画に映画脚本本は役に立つのか、と問われれば、漫画のストーリー作りに特化した良本が少ないことを考えても自信をもって役に立つと言えると思います。
例えば、ロバート・マッキーの
「ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則」
という、定評のある脚本の教本の一節を見てみましょう。
P216
登場人物がドアへ向かい、ノックして待っていると、そのリアクションでドアが開いてうやうやしく招き入れられるビート(註:展開)を脚本家が書いたとし、さらに映画監督が愚かにもこれを撮影したとしても、スクリーンにお目見えすることはないだろう。編集者という肩書に値するものなら、すぐさま切り落として監督にこう告げる。「ジャック、これは八秒間の無駄だ。ノックしたらすんなりドアが開く? カットしてソファーのところへ飛べる。これは最初の重要なビートだ。スターに玄関をくぐらせて五万ドルを無駄遣いしたのは残念だが、ペースが台なしになるし、意味がないよ」と。
これは監督を漫画家、時間をコマに置き換えて読んでみれば、まさにこの編集者は漫画編集者そのものです。
この本で漫画家さんが物語の作り手として学ぶべきなのは、映画の編集者の立ち位置からみたお話の構成です。
この本にはこういったストーリー作りの肝が沢山書かれています。
ページを詰めて、より多くの大切なことを、限られたページで語るというのは、漫画と映画に共通した目標ではないかと思います。
これともう一冊
「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」
ハリウッドではシナリオ教本の名作と言われているそうなので一度目を通してみてはいかがでしょうか。
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