記憶に残るキャラクターの作り方

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これはかなりおすすめです

久々の投稿です。
最近はmangacomplexのほうで優先的に更新しております。
(と言ってもそちらもさぼってますが…)
この記事は向こうと同じ内容です。

「記憶に残るキャラクターの作り方 観客と読者を感情移入させる基本テクニック」
リンダ・シーガー

長年、漫画編集をやってきて、納得感があるというか、
若い方に話してきたことの再確認、要は自分の復習にも使えた良書で役に立つ思います。

技術論、というよりはお話を作る時の考え方の参考になると思います。
(それもある意味技術なんですが)

最近話題の「小説家になって億を稼ごう」 (新潮新書)に
通じるところもあるかと勝手に思ってます。

あっちは結構さらっとしてますが。
キャラの作り方ということではどちらも参考になります。

キャラ作りの基本て、一度押さえちゃえば、何のことはないんですが、
意外に押さえられてない人が多いです。

初・中級者におすすめ

すでに、ある程度、自分の型が出来てるという方はいいのですが、
ストーリー作りが上手くいかないとか、
キャラだと言われても…という感じで悩んでいる方、
伸び悩んでいる方が一皮むけるには
いい本ではないかと思います。

でも高いんだよね~、
フィルムアート社の本。
2420円。
翻訳ものだし、あんまり部数するタイプの
本じゃないから仕方ないんだけど…。
でも投資価値ありですよ。

キャラ立てを極める

何でストーリーが上手く作れないという人に
これをお勧めするかというと、
かなりの人がストーリー自体というよりは
キャラ立てが上手くできていなくて、
お話が面白くならない、上手く展開できていない、
という印象があるからです。

キャラ行動の矛盾とか、
作家の独りよがりの展開とか、
ほとんどはキャラの作り方が甘いというか、
方法論みたいなものを確立できていない
ことによる気がします。

方法論の確立なんて言うと、
言葉は固いですが、
ようは、「それはないっしょ?」
という感覚を物語の神様で作者である自分に
常に問いかけられるか、
というようなことでもあります。

ようは客観視しろ、ということなんですが
客観視というのは思いのほか難しかったりするので
ルール作りをして、自分で自分に笛を吹く。

ピピー、それはダメっす!と。
(その辺がつかめると、グングン上手くなるという人、
多いです。)

キャラの行動が破綻=ゲームが成り立ってない
という人が多いんですよ。

そのキャラからそのセリフ、
その状況で出ないでしょ?という感じ。

そういう時って、作者が自分都合で
お話を展開している時です。大抵。

そうなると、読み手のほうは「??」に
なっちゃう。
そして、本を閉じる、今ならほかの作品を
クリック!ってなっちゃうんですよ。

そうならないための、
キャラ作りの基本がきっちりと書いてある本です。

作者はリンダ・シーガーさんは
「アカデミー賞を獲る脚本術」などを書いている
ハリウッド村の方なので、
サンプルに紹介される映画や小説が
アメリカ作品(ちょっと前のも多い)なのですが、
これを機にサンプルになっている映画くらいは
観ても良いかと思います。

小説はしんどいんでね。

いずれも見て損のない作品です。

小池一夫さんの次の人を待望する

キャラ作りの本というと、
日本では小池一夫先生の本くらいしか
私は思い当たらない感じなんですが、
キャラの宝庫である漫画を使った
こういう本がもっとあってもいいんですけどね。

でも、明快な実績のある人が書かないと
メチャ叩かれそう…。

いつか自分でこの辺の本を分かりやすく
まとめたいものだという野望というか無謀は
あるんですが…。

映画や小説の作り方の本は、
読み通すのがなかなか大変だったりする
ものが多いんですが、
これは割とするっと読めました。

だからと言って、
役に立たないということはない、
ありません!

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