漫画家になるための考え方その2

5月 17, 2019

前回の続き。

では、絵を描くという技術を磨くとともに
頭を使う技術を磨くということですが、
定番なりますが、漫画原作者の方や
ハリウッドの脚本家の方の本を
読むのをお勧めします。

ただし漫画原作者の本は
小池一夫さんの2冊と
 

大塚英志さんのこの辺からいくつか読んでみるのをお勧めします。

他の、漫画原作者の本は、こと制作に関しては
ほぼ役に立たないです。

あとはハリウッド映画の脚本本がフィルムアート社から
沢山出ているので目ぼしいの何冊か読んでみれば
他にも役に立つ本や、ストーリーに対する考え方などが
出ていてるので参考になると思います。

ちなみに、私が長年お世話になった太田出版は、
私が入社した時はマンガをやっておらず、
誰も教えてくれる人がいなかったので、
映画の脚本の本や、小説の書き方などを
読んで勉強しました。

あと、
太田出版は小説や哲学書なども出していて、
日々そういった本を担当している先輩に
接していたのですが、
それもすごく考え方の勉強になったように思います。

マンガだからと言って、
どんな話にするかとか、
どんな構成にするかといったことは
出版にとどまらず、
他の分野での考え方と
そう隔たったものではありません。

今、持込みの皆さんの作品を
拝見していると絵よりも
マンガを描く前に、
どういうマンガを誰に向けて描くのか
といったところが、
あまり考えられていない気がします。

好きなものを描いて喰っていければ
本当に幸せなのですが、
繰り返しますが、
それはすげえ難しいです。

読者不在の作品では
商売になりません。

マズローの欲求5段階説なんてもんで言うと、
好きなものを描く=自己実現の欲求
ということになると思うのですが
それは最も高次の個人的な欲求です。

マンガには、最も低次な生理的欲求
=食べたい、寝たい、ヤリタイ
などを満たす力、大衆的な欲求を満たしてあげる
側面がないと、なかなか読んでもらえません。

実際、マンガはそういう欲求を
満たしながら、ここまで大きな市場を
生んできたのですから。

ただ一方で、低次の欲求が満たされると
より高次な欲求を人は求めるものなのですが、
それはすでに売れた作家さんにお任せして
新人の皆さんには、できれば根源的欲求を
満たしてあげるような作品を
最初は作ることをお勧めいたします。

最初から高次の欲求を求めて商業漫画家として
デビューするのは至難の業だと私は
個人的には考えています、はい。

原稿料回収難しーよーというのが
実情です。

もちろん、描きたいものを
描くことを否定しているわけじゃないですよ。

ではまた!

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